中国の研究チームは5月16日、医療用染料がマウスに対するマッシュルームの毒性作用を軽減するのに役立つ可能性があると発表した。
テングタケ属のファロイドデスキャップキノコ。写真: Bkaounas/iNaturalist
中山大学の万国輝氏や王喬平氏をはじめとする専門家によると、蛍光染料インドシアニングリーンは将来、多くの命を救う可能性を秘めている。インドシアニングリーンはヒトにおける解毒作用については試験されていないが、米国食品医薬品局(FDA)によって他の用途で承認されている。
テングタケ( Amanita phalloides )は、世界中でキノコ中毒による死亡原因の90%以上を占めていると推定されています。野生で好んで採取される他のキノコと見た目は似ていますが、半分食べるだけでも深刻な肝臓や腎臓への損傷を引き起こす可能性があります。ヨーロッパ原産のテングタケは世界中に蔓延しており、2010年から2020年の間に中国だけで3万8000人以上の患者と約800人の死者を出しました。
Nature Communications 誌に掲載された新たな研究で、科学者たちは、デスキャップマッシュルームが産生する主要な毒素であるα-アマニチンを標的としました。研究チームは、感染と中毒における特定の遺伝子の役割を理解するのに役立つ比較的新しい技術であるCRISPRゲノムスクリーニングを用いました。
CRISPRスクリーニングにより、デスキャップマッシュルームの毒性作用の主犯はSTT3Bタンパク質であると特定されました。研究チームはFDA承認薬を検証し、ブルーインドシアニンがこのタンパク質を阻害する可能性があることを発見しました。
これは、米国、ヨーロッパ、その他の地域で診断画像用に数十年にわたって広く使用されており、医師が肝臓や心臓の機能を測定するのに役立っている静脈内蛍光染料です。
王氏によると、研究チームはこの予想外の関連性を発見し、驚いたという。彼らはまず実験用シャーレ内の肝細胞でこの薬を試験し、その後マウスで試験した。どちらの試験でも、デスキャップマッシュルームの毒性を軽減する大きな可能性が示された。
研究チームは次に、ヒトでの臨床試験を行う予定だ。「マウスと同様にヒトでも効果が得られれば、多くの命を救うことができるだろう」と王氏は述べた。
トゥー・タオ( AFP通信によると)
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