北朝鮮軍は「戦術核攻撃」を模擬した訓練で、短距離弾道ミサイル2発を発射したと、朝鮮中央通信(KCNA)が8月31日に報じた。標的は韓国軍司令部と南北境界線沿いの軍用空港だった。ミサイル発射は、米国が韓国との合同演習「乙支自由の盾」に参加するためB-1B重爆撃機を派遣した後に発表された。
真夜中の核攻撃訓練
北朝鮮人民軍(KPA)は、同国西部地域の核兵器保有部隊が平壌国際空港から北東方向へ弾道ミサイル2発を発射したと発表した。北朝鮮軍は「海上目標から約400メートルの高度で指定された高度から空中爆発を行い、核攻撃任務を正確に遂行した」とKPAは述べた。
北朝鮮の金正恩委員長が軍事演習を指揮
朝鮮中央通信によると、今回の演習は、北朝鮮はいかなる攻撃計画にも断固として対応する準備があり、その能力も備えているという警告メッセージを韓国と米国に送るのが目的だったという。
聯合ニュースは、韓国軍合同参謀本部(JCS)筋の話として、北朝鮮領土から朝鮮半島と日本の間の海域に向けて発射された短距離弾道ミサイル2発を捕捉したと報じた。 防衛省は、2発のミサイルが8月30日午後11時38分と午後11時46分(現地時間)に発射台から発射されたと確認した。両ミサイルとも日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下するまで、それぞれ350キロと400キロ飛行した。日本は、米国、韓国、その他の国と連携し、2発の発射に関する分析を進めていると発表した。
朝鮮中央通信(KCNA)の別の報道によると、北朝鮮軍は8月29日、韓米合同演習への対抗措置として、司令部レベルの軍事演習を実施した。金正恩委員長が指揮したこの演習は、「奇襲攻撃を撃退し、報復攻撃を仕掛けて韓国全土を掌握する」ことを目的としていた。
米爆撃機が訓練のため到着
北朝鮮のこの動きは、韓国と米国の合同軍事演習「乙支(ウルチ)自由の盾」が昨日正式に終了した直後に起きた。聯合ニュースによると、韓国国防省は前日、同演習の枠組みの下、「米軍戦略爆撃機が韓国のFA-50戦闘機と米軍F-16戦闘機の護衛を受け、空軍演習の主要任務を担った」と発表した。この演習の内容は不明だが、今年に入ってから、米国がB-1B戦略爆撃機を韓国との演習に派遣するのはこれで10回目となる。
8月30日には、米軍の爆撃機が日本との合同訓練に参加した。ロイター通信によると、米空軍はB-1B戦闘機2機、航空自衛隊はF-15戦闘機4機を含む12機の戦闘機を派遣した。韓国と米国、米国と日本の合同訓練は、朝鮮半島における有事への迅速な対応を目的としているとされている。
こうした状況を踏まえ、梨花大学(韓国)のリーフ・エリック・イーズリー教授は、北朝鮮が今回のミサイル2発発射は、いつでも多方向から攻撃できる能力を誇示することが目的かもしれないと指摘した。
日本は過去最高の防衛予算を提案
AFP通信によると、日本の防衛省は昨日、中国と北朝鮮に関連する新たな状況に迅速に対応するため、2023~2024年度に比べて68億ドル増額となる2024~2025年度の防衛予算7兆7,400億円(530億ドル)の支出を国会で承認するよう求め、記録的な防衛予算案を提出した。
具体的には、防衛省は、米国製イージスミサイル防衛システムを搭載予定の新型艦2隻の建造事業に3,800億円、ミサイルの増備など防衛能力向上に7,550億円を要求した。また、近い将来、米国と共同で極超音速ミサイル迎撃能力の開発に750億円を投入する予定である。
8月31日に発表されたこの提案は、2027年までに防衛費をGDPの2%に増やすという岸田文雄首相の計画の一環である。
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