英国は、中国の電気自動車メーカーに対する北京の補助金について調査を開始することを検討していると、事情に詳しい関係筋を引用してポリティコEUが2月27日に報じた。
英国が実際に行動を起こせば、昨年10月に欧州連合(EU)が開始した同様の調査に続き、中国製電気自動車に対する2度目の調査となる。
英国の自動車メーカーは、今年後半に公表される予定の調査結果を受けてEUが追加関税を課した場合、中国製電気自動車が英国市場に大量に流入することになるのではないかという懸念が高まる中、政府に迅速な対応を求めている。
ポリティコのEU筋によると、この問題に関する選択肢の検討プロセスはここ数週間で始まっており、英国のケミ・バデノック通商大臣は英国貿易救済機構(TRA)に調査開始を指示する準備をしている模様だ。
ポリティコのEU筋によると、英国の自動車メーカー自身も、中国で報復を受けることを恐れて、名乗り出ることに「消極的」だという。中国は彼らにとって重要な市場である。
欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長が調査を発表すると北京は怒りの反応を示し、電気自動車に関する調査は「旧大陸」のビジネス関係を損ない、自動車購入者にとって価格を上昇させる可能性があると警告した。
先月ブルームバーグとの異例のインタビューで、駐EU中国の傅聡大使は、この調査を「不公平」だと非難した。傅大使はまた、欧州委員会が中国製電気自動車部品への欧州における融資を調査することを決定したことを受け、EUと北京の間で貿易戦争が発生するリスクを指摘した。
電気自動車大手BYDのSUV「シーライオン」が、2023年11月に中国広州で開催される広州モーターショーに展示される。写真:ブルームバーグ
EUの調査で不公平な補助金が実際に存在していたことが判明した場合、「英国政府がこれに異議を唱えるのは非常に困難になるだろう」と、英国首相府の元経済貿易顧問で現在はコンサルティング会社ストランド・パートナーズの取締役を務めるアレックス・ボイド氏は説明した。
ECの調査は6月の欧州議会選挙後の今年後半に終了する予定だ。
英国の自動車業界団体SMMTのマイク・ホーズ最高経営責任者(CEO)は先月の記者会見で、EUの調査が中国の電気自動車への追加関税につながれば、英国は「同様の不公正な貿易慣行がないかどうかを非常に注意深く調査する」と述べた。
ロンドンも自国の電気自動車産業の支援を検討している。昨年、英国政府はジャガー・ランドローバー、日産、BMWなどの電気自動車とバッテリー製造に20億ポンドの投資を約束した。
しかし、中国がパリに報復措置を取ったことで、貿易紛争は英国の輸出業者にとって懸念材料となり得る。フランスはEUの調査を強く支持していた。中国は今年初め、フランス産酒類の輸入に対する反ダンピング調査を開始することで報復措置を取った。
英国政府は「(中国製電気自動車の調査を開始するという)決断を下す必要がないように願っているようだ」と、英国の大手自動車メーカー幹部はPolitico EUに対し語った。「政府はまだ何ができるか検討中だ」と彼は付け加えた。
ミン・ドゥック(ポリティコEU、ユーロニュース、ブルームバーグによる)
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