寒い冬の日々が過ぎ去り、春が訪れ、西北の山々と森は太陽の光と風、そして暖かさに目覚め、冷たい灰色のコートを春の花々が織りなす外套へと変えようとしています。祖国の高原にも春が訪れ、桃、梅、杏の花が咲き乱れ、山々と森の景色は色鮮やかに染まります。春の陽光にきらめく桃の花、純白の杏と梅の花は、息を呑むような峠を越えなければならない人々を魅了しています。
春の訪れを感じさせる花々。村々を巡る旅の途中、鮮やかな黄色のカラシナ畑に目を奪われます。風に揺れる蔓のように、小さな可憐なカラシナの花が茎の周りに咲き誇ります。時には、古木の桃の木の下に広がる黄色いカラシナの花が、石垣の脇に咲く鮮やかなピンクの花と競い合うように咲き誇る光景も見られます。プロカメラマンもアマチュアカメラマンも、この印象的な一枚を逃すことはありません。
春の雨を耐え忍び、遅咲きのバンの花は雄大な山々に囲まれ、穏やかで優しい空を咲かせます。タイの人々はバンの花を純粋で誠実な愛に例え、バンの花の開花は豊穣の兆しとも言われています。
国道6号線沿いのホアビンからモックチャウ、ソンラ市まで続く花道沿いには、ライチャウ、ディエンビエン、あるいはサパ、ラオカイ方面へと続く春の花々が咲き誇り、遠方からの旅行者を歓迎します。
杏、梅、桃の花の楽園を訪れたいなら、1月下旬から2月上旬にかけてモックチャウ(ソンラ)の町や、霧深いサパの街を訪れるのがおすすめです。 ハザン高原への道も、山岳地帯への春のツアーで賑わいます。ハザン市からクアンバ、イエンミンへと続く道の両側には花が咲き誇り、特にドンヴァンとメオヴァックでは特に花が咲き誇ります。
旅行愛好家や冒険家は、混雑した花見スポットを避け、人里離れた場所へと足を運ぶことがよくあります。そうした場所では、自然が与えてくれる野生の美しさが目的地となり、それは常に貴重なものです。例えば、バクハー( ラオカイ省)のラウ・ティ・ガイ、ナ・ホイ、ター・チャイといった集落にあるタムホアの梅園が純白の花で満開に咲くかもしれません。あるいは、ヴァンホー郡(ソンラ)のロンルオンにある桃園が恍惚と咲き誇るかもしれません。あるいは、古いイ・ティの森や、静かな空間にツツジが静かに咲くホアン・リエン・ソン山脈(ラオカイ省)かもしれません。
春にシャクナゲを探し求める旅は、40種類近くもあるシャクナゲを見つけるには、きっと何年もかかるでしょう。イエンバイ省には、「トゥ・デイ・フラワー」というちょっと変わった名前の春の花があり、観光客をこの地へ誘うのに十分です。チャムタウ郡やムカンチャイ郡(イエンバイ省)のモン族の人々は、春の祭りを楽しむために、山の斜面にトゥ・デイ・フラワーが咲くことを願っています。そのため、この地には「トゥ・デイを見なければ、春を見たとは言えない」という諺があります。ラ・パンタン、デ・シュー・フィン、ナム・カットといった辺鄙な村々を訪ねてみてください。モン族の正月(キン族の旧正月の1か月前)にトゥ・デイ・フラワーが咲く頃、山や森の春が人々の心を温めるのを感じるでしょう。
ヘリテージマガジン
コメント (0)