ワシントン・タイムズ(米国)は、ピュー・リサーチ・センターが7月2日に発表した新たな調査データを引用し、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領への信頼が近隣の欧州諸国を含む世界各地で低下していると述べた。
この指数の低下は、ロシアとウクライナの紛争が終わりが見えないまま3年目に突入する中、ゼレンスキー氏の 政治的立場が弱まる可能性があることを示唆している。
消耗戦のなか、両軍は1,000キロ近い前線で膠着状態に陥り、1年以上もわずかな前進しか果たせなかった。
戦闘を無期限に継続すれば、西側諸国のさらなる不満を増大させ、ゼレンスキー氏の長期戦略に対する国際的な信頼を損なう可能性がある。
ピュー研究所が35カ国の国民を対象に行った広範囲にわたる調査では、回答者のわずか40%がゼレンスキー氏が「世界情勢に関して正しい行動をとる」と確信を示し、46%はそのような確信を持っていないことがわかった。
2024年7月2日に発表されたピュー研究所の35カ国を対象とした調査結果によると、回答者のわずか40%がゼレンスキー氏に信頼を寄せていることが明らかになった。写真:ウクラインスカ・プラウダ
ウクライナが最も依存している国々で、信頼度が最も低下した。米国では、ウクライナの指導者に信頼があると回答した人が48%だったのに対し、信頼していないと回答した人は39%だった。「わからない」と回答した人は13%だった。
欧州では、数字ははるかに暗い。ハンガリーでは、ゼレンスキー氏に対する信頼度が「全くない」または「それほど高くない」と回答した人が83%だった。イタリア、フランス、ドイツでは、それぞれ60%、53%、44%だった。
おそらく最も大きな変化は、ウクライナの隣国であるポーランドで起こった。ポーランドでは、回答者の約48%がゼレンスキー大統領に信頼を寄せていると回答し、信頼していないと答えた人は40%だった。ピュー研究所によると、ポーランド人の信頼度は昨年から22ポイント低下した。2023年の調査では、約70%がウクライナ大統領への信頼を表明した。
ポーランドや東欧諸国における変化の多くは、農民や農業労働者のくすぶる怒りに起因すると言える。彼らは、国境を越えて流入する安価なウクライナ産穀物の大量流入によって食料価格が下落し、農業事業の収益性が下がっていると訴えている。
ゼレンスキー大統領への信頼は欧州以外でも低下している。ピュー研究所の調査によると、韓国ではウクライナ大統領への信頼は昨年から15ポイント低下し、現在は51%となっている。
ピューの調査によると、南アフリカでは回答者のわずか20%がウクライナの指導者に信頼を寄せており、昨年より12ポイント低下している。
今年2月に発表されたウクライナの世論調査によると、ゼレンスキー氏の指導力を支持するウクライナ人は63%で、昨年2月の91%から減少した。
ゼレンスキー氏への信頼の低下が続けば、米国を含め、平和を求める声が加速する可能性がある。米国ではドナルド・トランプ氏が先週の大統領選討論会で、当選すれば戦争の早期終結を目指すと発言している。
元米国大統領の見解は、ウクライナは戦場でロシアに勝つことはできず、したがって和平交渉が唯一の現実的な解決策であるという信念に基づいているようだ。
ミン・ドゥック(ワシントン・タイムズ紙による)
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