この投資は、国内で日本語を学ぶ情報通信技術(ICT)分野の学生への奨学金や日本への交換留学奨学金の提供、大学での日本語研修・教育の実施に充てられる。

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FPTソフトウェアは、日本市場向けのICTエンジニア育成に1250億ベトナムドンを投資すると発表した。写真: FPTソフトウェア

そのため、FPTソフトウェアは2024年から2026年にかけて、全国の名門大学や日本語センターと連携し、ICT分野の学生の日本語教育に取り組んでいきます。このプログラムは、学生が卒業時に最低でもN3レベルの日本語能力を取得し、日の出ずる国での就職に必要な能力を身に付けることを目指しています。

現在、全国15の大学およびICT研修機関がこのプログラムに参加しており、今後も協力規模と参加校数を拡大していく予定です。FPTソフトウェアは、毎年500人以上の大学にICT人材を輩出する奨学金を授与する予定です。

FPTジャパンのCEO、ド・ヴァン・カック氏は次のように述べています。「日本政府は経済大国としての地位を維持するため、デジタルトランスフォーメーション分野への投資を推進しています。FPTジャパンはこの機会を捉え、高度な専門知識と日本語能力を備えた人材チームを継続的に育成し、大手日本企業のより複雑なプロジェクトに対応できるよう準備を整えています。今後5年間で、ベトナムの拠点と日本のオフィスで約2万人のICTエンジニアを雇用し、日本のお客様とのプロジェクトにおける人材ニーズに対応していく必要があります。」

FPTソフトウェアの投資は、ICT分野の学生に日本語を早期に習得し、キャリア開発に活かす機会を提供します。このプログラムに参加することで、若者はプロフェッショナルな職場環境を体験し、様々な分野の第一線の専門家と共に、質の高いプロジェクトに数多く参加することができます。同時に、FPTソフトウェアは、ICT人材を「渇望」する日本の大企業と直接繋げる機会も提供しています。

FPTソフトウェアは、ベトナムのICT人材に外国語の優位性をもたらすだけでなく、業界内の大学や研究機関と協力し、市場の実情に即した研修プログラムの設計・開発を支援しています。これにより、ICT人材は企業のニーズに最適な知識とスキルを身に付けることができます。

FPTソフトウェア人事部長のグエン・トゥアン・ミン氏は次のように述べています。「10~15年前、FPTソフトウェアをはじめとする日本に進出したベトナムのICT企業は、人材育成に注力してきました。これが、今日のベトナムのテクノロジー企業の日本における成功と地位向上に大きく貢献しています。現在、日本のICT市場は再び急成長期を迎えようとしており、人材育成はますます重要になっています。そのために、大学は企業と共に学生の研修時間とキャリア志向を最適化するという重要な役割を果たしています。」

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ハノイで開催されたセミナー「日本:グローバルな文脈におけるICT人材の明るい兆し」。写真:FPTソフトウェア

FPTソフトウェアは、学生と大学が市場動向を先取りできるよう、大学やICTコミュニティと積極的に連携してきました。特に、9月と10月には、ベトナム・日本デジタルトランスフォーメーション協会(VADX Japan)と連携し、ハノイ、ホーチミン、ダナンの3都市で「日本:グローバルな文脈におけるICT人材の明るい展望」と題したセミナーシリーズを開催しました。この一連のイベントには、大企業のリーダー、日本語学校の代表者、全国の主要ICT大学など、300名を超えるゲストが参加しました。

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FPTソフトウェアとVADXがダナン橋で開催した一連のイベントには、多くのゲストが参加しました。写真:FPTソフトウェア

経済産業省によると、2030年までに日本では約80万人のICTエンジニアが不足すると予測されています。特にICT業界において優秀な人材を誘致するため、日本政府は外国人材に対する優遇政策を数多く導入しています。先日、衆議院法務委員会は、高度外国人材が日本で定住し、家族を呼び寄せ、無期限に就労できる環境を整備する法案を可決しました。ベトナム人エンジニアも、日本がベトナム人人材に優先的に付与している、多くのメリットと長期滞在を可能にする特定技能ビザ「特定技能」を容易に取得できます。

ビック・ダオ