今後1~2年で日本企業の56%以上がベトナムで事業を拡大する。
ジェトロが2024年度の日本企業の海外投資状況について行った調査によると、この比率はASEAN地域で最も高いままとなっている。
2024年12月9日、ベトナムにおけるイオンモール8番目のショッピングセンターとなるイオンモールタインホアがオープンしました。 |
日本貿易振興機構(ジェトロ)は、例年通り、アジア・オセアニア地域における日本企業の活動実態に関する調査結果を発表しました。今年で38回目となる本調査には、5,000社を超える企業が参加しました。そのうち804社がベトナムに投資しています。
これらの企業の50.4%は、2025年の事業状況が「改善する」と予測しています。多くの企業は、2024年も引き続き好調な業績を期待しています。
ジェトロ、2024年アジア・オセアニアにおける日系企業の事業実態調査結果を発表 |
より詳細に見ると、今後1~2年の事業展開の方向性について尋ねたところ、ベトナムに進出している日系企業の56.1%が「拡大」と回答しました。これは前年比で0.6ポイント減少したものの、企業の事業拡大意欲はほぼ横ばいとなっているものの、ベトナムは依然としてASEAN諸国の中でトップの座を維持しています。
このうち、「拡大する」と回答した企業の割合は、製造業では48.1%(前年度比1.0ポイント増)、非製造業では63.2%(同2.3ポイント減)となった。
改善の理由として、製造業は「輸出市場での需要増加」、非製造業は「国内市場での需要増加」を挙げた。
これは、ベトナムの内外需要の回復が日本の投資家を惹きつけ続けていることを示しています。
ジェトロ、2024年アジア・オセアニアにおける日系企業の事業実態調査結果を発表 |
ジェトロの調査によると、製造業では46.7%、非製造業では51%が状況が改善すると回答しました。特に、昨年と比較して、特定の業種・セクターにおける見通しが大きく変化していることが顕著です。
製造業では、最も明るい見通しを示した業種は食品で、60.9%の企業が前年1位だったが、輸送用機器は4位に後退。ゴム加工、窯業・土石・その他製造業に続き、木材・木製品業も50%が改善を期待している。
製造業グループの中で最下位は輸送用機器部品で、2025年の事業見通しについて23.7%が前向きな見通しを示している。
非製造業では、教育、ヘルスケア、小売、金融・保険の各セクターで悲観的な見通しを示した企業はゼロだったことが特筆すべき点だ。状況は改善すると回答した企業はそれぞれ60%、62.5%、58.3%と、最も多かった。残りは2024年と状況は変わらないと回答した。
おそらくこれが、小売業や飲食業の日本の企業の100%が今後2年以内に事業を拡大することを選択する理由でしょう。
ジェトロ、2024年アジア・オセアニアにおける日系企業の事業実態調査結果を発表 |
2024年の業績については、ベトナム進出日系企業の64.1%が黒字を見込んでおり、前年比9.8ポイント増となった。黒字比率が60%を超えたのは、新型コロナウイルス感染症の流行以前以来5年ぶりとなる。
しかしながら、利益率はASEAN平均(65.2%)を下回っています。ベトナム進出日系企業がこの平均利益率を達成できないのは4年連続となりますが、その差は2023年度の6.3ポイントから1.1ポイントへと縮小しています。
製造業の黒字企業率は70.2%(前年比8.7ポイント増)、赤字企業率は17.4%(前年比4.6ポイント減)となった。ほとんどの業種で黒字企業率は前年比で上昇した。輸送用機械部品、医療・精密機器、プラスチック製品、化学・医薬品の4業種では黒字企業率が8割を超えた。
非製造業の黒字企業率は57.9%(前年比11.2ポイント上昇)、赤字企業率は21.2%(前年比5.8ポイント低下)となった。貿易・卸売、鉱業・エネルギー、対外サービス等の黒字企業率は前年比15ポイント以上上昇した。一方、教育・医療、建設等の黒字企業率は引き続き50%を下回った。
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