ワシントンが北京に課した貿易制限により、それほど高度ではない半導体製造設備の需要が急増した。

日本の貿易データによれば、半導体製造装置、その部品、フラットパネルディスプレイ製造装置の日本への出荷の半分は中国向けとなっている。

中国への輸出額は2024年第3四半期に前年同期比82%増の5212億円(33億2000万ドル)となり、2007年以降のデータで最高を記録した。

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中国は、先進性に欠ける半導体ファウンドリ装置の輸入を増やしている。写真:日経アジア

日本の経済産業省は昨年7月、14ナノメートル(nm)ロジックチップやより高度なマイクロプロセッサなど、高度な半導体製造装置の輸出にライセンス手続きを義務付け始めた。

中国への輸出は増加しているが、これは中国本土の技術に対する米国の規制強化で半導体製造設備の購入競争が激化したことが一因となっている。

中国税関のデータによると、中国は昨年9月に52億ドル相当の半導体製造装置を輸入した。これは前年比約50%増で、日本とオランダからの購入がともに増加している。中国本土のこれらの製品の輸入は2024年の最初の4ヶ月間も増加を続け、40億ドル前後で推移している。

大和総研の岸川一馬氏は「最先端の半導体製造設備を持たない中国のメーカーは、それほど特殊ではない他のツールに目を向けている」と述べた。

この変更により、制限リストに載っていない半導体製造装置の輸出が急増したとみられる。

半導体業界は通常、3~4年続く好不況サイクルを繰り返す。世界市場はパンデミック後の混乱の中で2022年後半に景気後退に陥ったが、底入れの兆候が見られる。日本の半導体製造装置の世界輸出は前四半期比13%増加し、5四半期連続のマイナス成長に終止符を打った。

CHIPS・科学法が次の段階に入るにつれ、米国の半導体産業は「潜在的に重大なボトルネック」に直面している。