ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、2022年7月19日、イランのテヘランで行われた会談で、イランのエブラヒム・ライシ大統領と握手した。
島々をめぐるイランとUAEの紛争は、アラビア半島の6カ国からなる 政治経済同盟である湾岸協力会議(GCC)の声明に長年含まれてきた。しかし、日経アジアによると、GCCとロシアが7月11日に発表した共同声明には、「閣僚らは、二国間交渉または国際司法裁判所(ICJ)を通じて、大トゥンブ島、小トゥンブ島、アブ・ムーサ島の3島問題の平和的解決を目指すUAEの取り組みを支持することを表明した」と記されている。
昨年12月、習近平国家主席のサウジアラビア訪問中に、習近平国家主席とGCC諸国の首脳が同様の声明を発表した際、テヘランは北京との間で同様の問題を抱えた。しかし、その後、北京がイランの領土保全を支持する声明を発表し、イブラヒム・ライシ大統領の中国訪問を招待したことで、この問題は解決した。
イランはロシアに対し強く反発した。テヘランはモスクワ大使を召喚し、ホセイン・アミール=アブドッラーヒアン外相もロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と電話会談を行った。しかし、テヘランはモスクワに対し、この問題に関して期待していた声明を出すよう求めることはできなかった。
日経アジアによると、アミール=アブドッラーヒアン外相は7月18日、イラン国営テレビで「イラン・イスラム共和国がその偉大さと力ゆえに、ロシア、中国、米国、フランス、英国、ドイツに国を売り渡そうとしているなどと考えるべきではない。中国とロシアに関しては、我々は自国の利益の範囲内で行動している。しかし、彼らに我々の独立、 主権、領土保全を危うくされることは決して許さない」と述べた。
イランは西側諸国を頻繁に批判しているものの、イランの高官がロシアを直接攻撃するのは稀だ。ユーラシア・グループ(米国ニューヨークの調査・政策コンサルティング機関)のアナリスト、グレゴリー・ブリュー氏は、モスクワがGCCと共同で声明に署名したことは、ロシアとイランの関係に疑念が生じていることを示していると指摘した。
「イランとロシアはシリアで時折衝突しており、両国ともバッシャール・アル・アサド(シリア大統領)政権を支持している。ロシアはイランとの関係を緊密化させているものの、GCC諸国やイスラエルとの関係改善・維持にも努めているため、関係を次の段階に進めることには慎重だ」とブリュー氏は述べた。
イランの元外相ジャバド・ザリーフ氏は最近、モスクワが2015年にテヘランと主要国(ロシアを含む)の間で核合意(正式には包括的共同行動計画(JCPOA)として知られる)の締結につながった交渉を妨害していたと明らかにした。
「JCPOA交渉の初日から、ロシアは我が国のウラン濃縮施設に反対していました。ロシアはイランによるブシェール原子力発電所(原発)向け燃料の生産を認めないと主張しました。なぜでしょうか?ロシアはエネルギー分野における競争を重視しているからです。彼らは最終日まで、この事態を阻止しようとしました」とザリーフ外相は7月12日の式典で述べた。
「我々はロシアを戦略的友人だと考えているが、この戦略の定義は我々が考えている戦略とは異なる」とザリーフ外相は語った。
ザリーフ外相の発言は、イランとロシアは米国や西側諸国との対立において同じ立場にあると多くの人が信じているものの、両国の間には依然として相違が存在していることを示している。
西側諸国は、ウクライナ紛争での使用を目的にロシアに無人機を売却したとして、イランを非難した。イラン当局は当初、売却を否定したが、後に、紛争で無人機を使用する意図は全くなく、売却は戦闘勃発前に行われたと述べた。
イラン外務省の元高官は、ロシアがイランのドローンに関する機密情報を公開したのは「ウクライナとの戦争で同盟国を確保するためだけ」だと述べた。「イランの強硬派はあまりにも傲慢で、ロシアでさえ購入をいとわない高度な兵器を生産できると世界に示したいがために、ロシアの罠に陥っただけだ」と彼は述べた。
イラン政界の保守派の多くは、イランは西側諸国との関係が良好ではないものの、東側諸国との関係を維持することは賢明だと考えている。しかし、ロシアとイランの関係がバラ色になることはもはや明らかではない。
「我々は中国やロシアを含むすべての国との重要な関係を確実に継続するが、我々が絶対に譲れないのは主権、独立、領土保全だ」とアミール・アブドッラーヒアン外相は7月18日、イラン国営テレビで語った。
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