本日3月18日、ハノイにおいて、国際協力機構(JICA)が、両国間の二国間関係の歴史を包括的に紹介するモノグラフ「ベトナムと日本の関係50年(1973年~2023年)」の出版発表式典を開催しました。
貴重な学術資料「ベトナムと日本の関係50年(1973年~2023年)」
本書は、「JICAチェア」プログラムの枠組み内で、ベトナム社会科学アカデミー北東アジア研究所(VASS)の著者、越日大学学長の古田元夫教授、早稲田大学のトラン・ヴァン・トウ名誉教授の協力を得て編纂された。
駐ベトナム日本国特命全権大使 伊藤直樹
写真提供:JICA
書籍表紙「ベトナムと日本の関係50年(1973年 - 2023年)」
写真提供:JICA
式典には、伊藤直樹駐ベトナム日本国特命全権大使、ベトナム社会科学アカデミー(VASS)のダン・スアン・タン副学長をはじめ、日本研究・日本語教育分野の研究者・講師約100名が出席しました。また、図書寄贈式も併せて行われました。
式典で伊藤大使は、「2023年には、日越関係はアジアと世界の平和と繁栄のための包括的な戦略的パートナーシップへと発展しました。今後、日越関係をさらに発展させていく上で、本書に記された50年の歴史から得られた教訓は、重要な羅針盤となるでしょう」と述べました。
ダン・スアン・タン氏はJICAの協力に感謝の意を表し、「本書は過去50年間の日越関係の出来事をまとめただけでなく、両国の研究者や教育者にとって貴重な学術資料となるでしょう」と述べました。
日越大学学長 古田 基夫 教授
ベトナム社会科学アカデミー(VASS)副会長ダン・スアン・タン氏
写真提供:JICA
モノグラフ「ベトナム・日本関係50年(1973年~2023年)」は、世界とアジア地域の国際関係の文脈を考慮し、50年間のベトナム・日本関係の歴史を3つの段階に分けてまとめたものです。本書は、政治・外交、経済、文化・社会の観点から概観を提供するとともに、過去50年間の両国関係における成果、展望、課題、そして政策的含意についても言及しています。
大学や研究機関に本を寄贈する
JICAによると、現在ベトナムには日越関係史に関する包括的な入門書が存在しないとのことです。そのため、本書の出版は、ベトナムにおける日本研究資料の拡充に貢献することが期待されます。
今後、この本は北東アジア研究院を通じてベトナムの主要大学や研究機関に無料で配布され、教育と研究を効果的に支援することが期待されています。
書籍出版発表式典に出席した代表者たち
写真提供:JICA
JICAは、日本の近代化過程と開発協力の経験と教訓を開発途上国と共有することを目的として、2020年に「JICAチェア」プログラムを開始しました。このプログラムは、パートナー国の主要大学を対象としています。ベトナムでは2021年から実施されています。北東アジア研究所(VASS)によるベトナムと日本の関係史に関するモノグラフの出版プロジェクトも、このプログラムの一環です。
JICAは今後もパートナーと協力し、ベトナムにおける日本研究の推進やベトナムの持続可能な社会経済発展の支援に努めていきます。
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